テンダー&モイストなブリスケットをBBQしました
先週末に、ブリスケットをテキサススタイルで焼きました。今回は下ごしらえからサーブまでの全工程をご紹介したいと思います。ブリスケットって何?って人はこちらの記事を御覧ください。
サマリー
- US産Choiceグレードのブリスケット5.5kgを購入。
- 脂肪を6mm厚程度にトリム。
- Morton kosher salt と粗挽き胡椒を50/50の比率で調理直前にRub。
- ファットサイドを下にして、275°Fで7時間スモーク。
- テキサスクラッチし、205°Fになるまで2時間調理。
- 2時間レスト後スライス。
ブリスケットの購入
ブリスケットはMマートで購入しました。US産のブリスケットが買える数少ないお店です。Mマートは業者間取引のサイトですが、個人で利用する人もいるようです。
食品の通販で激安といわているMマートは個人購入できるのか? | 創業100年牛肉博士
ブリスケットはUS産CHOICEグレードの5.5kg、送料込みで8,700円ほど。冷凍品なので冷蔵庫に3日ほど放置して解凍しました。左の写真が脂肪で覆われたファットサイド。
右の写真がそれをひっくり返した赤身のリーンサイド。
トリミング
ブリスケットのトリミングは以下の要領で行いました。
- ファットサイド全面を覆っているファットキャップと呼ばれる脂肪を6mm程度の厚さに削ぐ。(ファットキャップは、熱風による肉の乾燥を防ぐ役目がありますので、薄く残しておきます。)
- 側面の分厚い脂肪の塊を除去。(固くて分厚い脂肪はLow&Slowの調理でも溶け落ちません)
- リーンサイドの筋膜やスジを除去。
- ブリスケットの形を整える。(スモーカー内の気流対策)
トリム後のお肉です。上の写真がファットサイド、下の写真がリーンサイド。購入時5.5kgのブリスケットはトリム後に4kgになりました。歩留まり73%ですね。(ちなみにトリムした赤身の端材はハンバーグにするとめっちゃ美味いです。)
Rub
味付け用にふりかける調味料をRubといいます。Rubは塩、コショウ、ガーリック、オニオン、パプリカ、チリ、砂糖等、いろいろな調味料を混合したものもありますが、私は塩コショウのみのテキサススタイルが好きです。
塩はMorton Kosher Salt、コショウは粗挽きしたものをそれぞれ60ccづつ、50/50の比率に配合。ブリスケットは直前まで冷蔵庫に入れておき、モコミチのように頭上からRubします。
着火
まず、チムニースターターで豆炭に着火します。その際、カセットコンロを使うと猛烈に速く着火できます。
Weber Smokey Mountainへの着火は定番のミニオンメソッドを使います。WSMのチャコールチャンバーに140個のKingsford製豆炭を敷き詰め、チムニースターターで着火した30個の豆炭を均等に広げます。豆炭は1時間あたり15個ほど消費しますので、10時間以上は続けられる計算です。
燻製材はリンゴのウッドチャンクを合計4つ使用しました。WSMのウォーターパンに水を張り、網に温度計をセットしてWSMの温度上昇を待ちます。トップベント、ボトムベント共に全開にしておき、WSMが250°Fになったら、ベント調整して温度キープ。
ブリスケットのセット
WSMの準備が整ったら予めトリム&Rubしておいたブリスケットを網にセット。この時、ファットサイドを上にするか下にするか諸説ありますが、ファットサイドを下側にしました。WSMは熱風が上昇気流となるので、熱風が当たる側を守るためです。
ここで問題発生。ブリスケットが大きすぎて網からはみ出してしまいます。そこで、リブラックを使用して、ブリスケットをドーム状にセットして、スモーカーに収めました。ブリスケットのFlatとPointに温度計を挿してBBQ開始です。
WSMの操作とBBQ中盤まで
今回の温度の狙いは275°F(135℃)。WSMのトップベントは全開、3つあるボトムベントは100%、0%、0%の開度で温度は概ね安定していました。3時間30分スモーク後、30分毎にスプレー。スプレーはリンゴ酢を水で薄めて使用してます。
調理開始7時間後、色がきれいなマホガニー色になったときに肉の柔らかさをチェックします。ほどよい柔らかさを確認したら、いよいよテキサスクラッチです。
テキサスクラッチ
テキサスでは、調理後半にブリスケットをアルミフォイルで巻いて蒸し焼きにする、テキサスクラッチが用いられます。その目的は仕上がりをモイストにするのと、調理時間を短縮するため。FranklinBBQのようにアルミフォイルではなく、ブッチャーシートというクラフト紙を使うお店もあります。今回、私が採用したのは、50g/m2のクラフト紙とアルミフォイルの併用。
適度にクラフト紙が水分を適度に吸ってくれて、アルミフォイルの中で茹で肉になるのを防止してくれるのを期待。本当はクラフト紙だけでやりたかったのですが、クラフト紙だけだと温度が上がらくなるトラブルが過去にあったので日和りました。
クラフト紙の巻き方はFranklinBBQを真似て、スプレー後に2回タイトに巻きます。その後アルミフォイルで巻きました。
完成
テキサスクラッチの効果は絶大で、温度は急上昇し2時間弱で目安の205°Fに到達。
総調理時間約9時間でした。
最終的な判断は触感。ブリスケットが水風船のようにブニュブニュに柔らかくなっているのを手で確認し完成。(プローブを挿してバターのようになっているかどうかで判断する方法もあります。)
スモーカーから取り出したブリスケットは、クーラーボックスで保温し休ませます。このレストの間にも調理が進むため、テンダー&モイストに仕上げるにはレストが非常に大事とされています。
スライス
2時間レスト後、クーラーボックスからブリスケットを取り出し、アルミフォイルを開封。クラフト紙のお陰でビチャビチャではなく、適度にしっとりしていていい感じ。
いよいよナイフ入刀。
狙い通りテンダー&スーパーモイストに仕上がりました(笑
BBQソースなどは使わず、元の味付けのまま頂きます。りんごでスモークされた香りと、塩コショウでほんのり味つけされたモイストなブリスケット、めっちゃ美味しゅうございました。今日も食べすぎてしまいました
反省点
肉の中の方はモイストに仕上がったのですが、端っこが乾燥気味だったのが残念。90点です。この端っこ乾燥問題はWSMの網の縁の風量が多いのと、網の縁が局所的に高いのが原因だと思うので、次回改良してみます。